1位 波に乗れ 向後 寛治
3月中旬の波崎の海だそうです。南の海とまでは行きませんが、透過光の波と飛沫が印象的です。当のサーファーにとってみれば、一番いいところを狙ってもらったと喜ぶような写真です。4枚組でどれも構図がよく迫力もあり、また逆光にして暗部もありながら、透明感もあるというちょっと異質のしかし、見ごたえのある作品となりました。
2位 神の領域へ 菅澤 良行
タイトルを思わせるまさに今、女性が黄泉の国へ?吸い込まれていくような光景です。浅草の浅草寺の夜中11時過ぎのヒトコマです。この時間でも人がウロウロしているなんて!さすが東京ですね。実はこの時私も同行しておりましたので、この写真につきましては、少々辛口でした。だって私も似たの撮りました。でも、この写真のように真ん中にスレンダーな女性が来るまで待てなかったし、その向こう側の仲見世通りに、誰も人がいなくなるまで待てませんでした。作戦が上手く行きました。女性がかなり遠くに見えますが、広角レンズ使用のため、とっても近かったのだそうです。インパクトのある1枚になったのでは。祝成功!
2位 ビーチの戦い 向後 寛治
3月中旬の波崎の海岸だそうです。実は、1位の作品と同日同現場ということだそうで。この海岸では毎年、モトクロスのレースが行われるのですが、今年は3月に行われ天気もよくイベント日和、写真撮影日和となったようです。そのため砂が勢いよく飛び散ったり、疾走する姿が気持ちよく捉えられています。もちろん撮影手法もブラシたりと、単調ではなく、4枚組でも無駄のない見応えある作品となりました。
4位 犬のお花見
枝垂れ桜の向こう側にワンちゃんが2頭。シェトランドシープドックしょうか?長い毛並みを優雅にまといおすわりしているんだなぁとわかります。もちろんちょっと散りかげんですが、桜を愛でているのでしょうね。地面の桜も一体となって、ワンちゃんたちを囲んでいるような、散り際の桜ならではのとても温かい1枚です。ちなみに、桜にピントを合わせ、ワンちゃんはふんわりと見せたかったのだそうです。今年ももう散ってしまったと諦めず、よく観察すれば、こんな1枚が撮れるんですね。
4位 あと一息だ! 向後 寛治これは、常陸太田市の鯨ヶ丘というところの坂道です。ちょうど午後3時過ぎの光が斜めにさして、上り坂の自転車の少女の影を大きく映しています。遠くを見降ろすと坂道がやや角度つけて長く伸び、手前には少女と彼女の大きな影、申し分のない一枚ですね。ちなみに私も同行しておりました。トホホッ..
4位 しらないおじさん 住母家 茂
のどかな春の日の情景です。ベビーカーに乗せられてお寺から出てきた赤ちゃん。こちらをむいて、ちょっと興味ありげな雰囲気です。お母さんもうれしそうにわが子に視線をやり、隣のカメラをもったおじいさんも、にこやかに赤ちゃんを見ています。うららかな春の日の最高の一枚です。赤ちゃんとお母さん、隣のカメラを持ったおじいさんにはちょっとどいてほしいなぁ、と思ったら大間違いでした。この三人がいてこそ、この写真はより良いほんわかとした作品になりました。引き算、足し算と写真はよく言われますが、この場合は足し算を選んだのですね。正解だとおもいます。
7位 氷魚の遡上 米本 一尋
渓谷のつらら?氷であることは間違いないのですが、これを見つけてさらにタイトルに「氷魚」と付けたのは、ほんとにその通り。「氷魚という魚がこの渓谷には住んでいて、これから遡上しようとしています。その瞬間の一枚です…」というニュースが流れてもおかしくないような、一枚ですね。実は、河口湖の氷祭りのつららの一部だそうです。いろいろ観察されてこの氷魚を見つけたそうです。こんな風にワクワクできるって、写真撮影のいいところだと思います。これからも楽しんでください。こうご期待ですね。
7位 黄門ざくら 住母家 茂
匝瑳市の黄門桜です。盛りを過ぎたのかちょっと寂しい観のある中、赤い野点傘とその下で体をくねくねさせながら、手すりを渡る子供が印象的です。或いは、老木と子供、静と動、空の青と傘の赤。色々な対象物の要素が、この写真の中には詰まっているのかなと思います。(ちょっと深入りしすぎでしょうか?)でも、この写真の一番は、やはり落ちそうな子供たちの動きですね。
(選評:向後 ヒロミ 悪しからず…)